これは今でもたまに思い出す出来事なんだけど、寝転がって古本を読んでいたときに、ページの隙間から何かがぽろっと落ちてきたことがある。
何だったのかは、正直あまり考えたくない。ただ、その瞬間から「中古で物を買う」ということに対する感覚が、はっきり変わったのを覚えている。
それ以来、私は基本的に中古品を買わなくなった。加齢とともに衛生観念が強くなったというのもあると思うけれど、それ以上に、あの一件がきっかけとして大きい。
漫画や本は、できる限り新品を優先するようにしている。ただ、全巻セットのように冊数が多いと、新品を全部揃えるのは現実的じゃないこともある。そういうときだけ古本を探すけれど、状態は値段より優先する。実際、全巻セットを落札したら、濡れてしわになったページやシミがあったこともあった。通販だと状態が写真だけでは分からないことがあるので、今はブックオフのように、実際に手に取って状態を確認できる店舗でしか古本を買わないようにしている。
一方で、CDや映像メディアは、そこまで神経質にはならない。ディスク自体の状態くらいしか気にすることがないからだと思う。物によって、気にする度合いが全然違う。
衣料品では、また別の失敗もした。状態というより情報不足が原因で、説明をよく読まなかった、あるいは書いていなかったのに質問しなかったせいで、欲しかった機能がついていなかったり、内ポケットがないバッグだったり、ということがあった。これは相手のミスというより、自分の確認不足だったと思っている。
こういう経験があるからこそ、自分が売る側になったときは、買う人が同じ思いをしないように気をつけるようになった。
まず、状態は必ず確認する。未開封であることに価値を認めてくれる店舗もあれば、未開封でも一度人の手に渡っていれば中古品として扱う店舗(かつて利用していたホビー系の買取専門店がそうだった)もある。後者に出す場合は、未開封のままにしておく意味がないので、あえて開封して動作確認をすることもある。衣料品は洗濯してから出す。汚れや欠損があれば、隠さずに査定の際に伝えるようにしている。自分で気づかなかった場合は仕方ないけれど、分かっていて黙っているということはしない。逆に、査定額が下がりそうなくらい状態が悪い物は、無理に売らずに廃棄する判断をすることもある。
昔ヤフオクを使っていた頃は、出品するときの写真も、全体・アップなど、できるだけ色々な角度から撮るようにしていた。今は宅配買取が中心で、出品用の写真を自分で撮る機会は減ったけれど、「相手が状態を判断できる材料を、こちらから隠さない」という考え方自体は変わっていない。
査定額を上げるための小技はいろいろ言われているけれど、私が意識しているのはそれよりもっと単純なことで、「自分が買う側だったら、これで納得できるか」を基準にしている。
これは業者から見た「査定額が上がりやすい状態」というより、次にこの物を手にする人が、私と同じような嫌な思いをしないための最低限の準備、という感覚に近い。
コメント