以前使っていた40インチのテレビが壊れたとき、最初に浮かんだのは「粗大ごみに出せばいいのでは」ということだった。ライブDVDを大きな画面で観たくて奮発して買ったテレビだったので、なおさら簡単に処分できるものだと思い込んでいた。
故障している以上、買い取ってもらうのは難しいだろうと判断したし、新しいテレビに買い替える必要性もあまり感じなかった。だから、修理や買取は考えず、そのまま手放すことにした。
調べてみると、テレビは自治体の粗大ごみでは回収してもらえないと分かった。エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・乾燥機と並んで、家電リサイクル法という法律の対象品目に指定されていて、決められたルートでしか処分できないことになっている。
以前、家電を買い替えたときに、購入店が古い家電を引き取ってくれた記憶があったので、まずは家電量販店に問い合わせてみた。
ただ、今回は買い替えではなく、テレビをやめてしまう(実際、今はテレビを持たず、iPadでYouTubeやTVerなどを見る生活をしていて、特に不便は感じていない)という状況だったので、対応が違った。支払う必要があるのは、法律で決まっているリサイクル料金だけでなく、店舗に手続きを代行してもらう手数料、さらに自宅まで引き取りに来てもらう場合はその分の人件費もかかる。私が確認した店舗では、代行手数料だけで3,000円前後、さらに人件費が1人あたりいくらという計算で、今回のケースだと2人体制になると言われた。細かい記憶はあいまいだが、合計すると6,000〜8,000円くらいにはなりそうな見積もりだった。
対応してくれた担当の方が親切な人で、「それなら指定引取場所に直接持ち込む方が安く済みますよ」と教えてくれた。
実はこの「指定引取場所」というルートは、事前に調べてはいた。でも、自分でテレビを運んで持ち込むのが大変そうで、一度は候補から外していた。
ただ、家電量販店の見積もりを聞いて、できるだけ費用を抑えたいという気持ちが勝った。当時は平日に休みが取れる仕事をしていて、時間の融通がきいたのも大きかったと思う。
指定引取場所に自分で持ち込む場合、支払うのは法律で定められたリサイクル料金だけで、収集運搬にかかる費用はかからない。事前に郵便局でリサイクル券を受け取り、必要事項を記入してリサイクル料金を振り込んでから、家電と一緒に指定引取場所へ持ち込む、という流れになる。
40インチのテレビを車に積み込むのも、指定引取場所の窓口まで運ぶのも、正直腰が痛くなるくらいの重労働だったけれど、思っていたよりは何とかなった。行き慣れない場所だったので、「こういう仕組みで回収されているんだ」と、少し感動した記憶がある。
パソコンも、同じように故障して使えなくなったことがある。ただテレビと違って、パソコンはこの先も必要だと感じたので、新しいものに買い替えた。
問題は、壊れた古いパソコンをどうするかだった。テレビは故障品では買い取ってもらえないだろうと最初から諦めたが、パソコンは違って、故障品でも買い取ってくれる業者があった。売れるものなら売りたいと思って見積もりを探してみた。ただ、モデルが古すぎたのか、見積もりを取ると発送コストの方が高くつきそうだったのか、細かい経緯は覚えていないけれど、結局は売るのを断念することになった。
パソコンも一般ごみとしては出せない対象品だった。資源有効利用促進法という法律で、メーカーによる回収が義務づけられている。
最終的に、大型ショッピングモールに設置されていた、パソコンも回収対象になっている回収ボックスに、データを初期化した上で入れた。これは自治体や家電量販店が任意で参加している小型家電リサイクル法という制度の枠組みで、テレビの指定引取場所とは違う仕組みになる。設置されている場所は地域や店舗によって差があるので、近くにあるかどうかは事前に確認しておいた方がいい。
うちのポストにも、不用品を無料で引き取るという内容のチラシが定期的に入ってくる。「無料」という言葉には、正直少し惹かれる。ただ、知らない民間業者にまとめて任せるのは、なんとなく不安な気持ちの方が大きくて、今のところ一度も利用したことはない。
これは私自身の印象の話であって、確かな根拠を持って判断したわけではない。ただ、無許可のまま営業している回収業者とのトラブルが報告されているという話は、後になって見聞きしたことがある。安さを強調する広告を見て依頼したら、作業後に高額な料金を請求された、という類の相談も一般的に知られている話だと思う。
こうした背景もあって、私は「業者に頼んで手軽に片付ける」よりも、多少手間がかかっても、正規のルート(家電リサイクル法・小型家電リサイクル法の仕組み)を自分で調べて使う方を選んできた。
誤解のないように書いておくと、不用品回収業者そのものが悪いと言いたいわけではない。きちんと許可を得て営業している業者ももちろんある。ただ、チラシやネット広告を見ただけでは、その業者が許可を持っているかどうかを私には判断しづらい。それが、二の足を踏んでいる一番の理由だ。
多少体力と時間はかかったけれど、「回収業者に頼らなくても、自分で調べれば正規のルートで手放せる」と分かったのは、今回のいちばんの収穫だったと思う。

コメント